読書メモ

川北 稔「砂糖の世界史」

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甘いものには砂糖がたくさん入っていて、料理にも少しまぜたりし、身近にあふれかえる砂糖にどんな歴史があるのかと思って読んで見ました。砂糖という一つの商品の歴史を追うことで、世界史全体を楽しく学べました。

学生の時は日本史を選択していたので、世界史はほとんど知らない私でも読めました。世界史になじみがない人にこそ読んでもらいたいです。

砂糖の世界史には、日本史にはないダイナミックな展開があります。アフリカで奴隷を調達して、砂糖の栽培に適した熱帯のカリブ海の植民地で働かせて、生産した砂糖をヨーロッパに運んで消費するのです。

砂糖は今ではありふれていますが、昔は貴重なもので、ステータスシンボルでした。イギリスでは、同じく貴重だった茶に砂糖を入れることで、ステータスを誇示したようです。私は紅茶に砂糖を入れて飲むのが好きですが、紅茶に砂糖を入れて飲み始めたきっかけが、おいしさを求めたものではなかったことに驚きました。

著者はイギリス近世・近代史を専門とする歴史学者です。フランス人はワインを飲むので紅茶に砂糖は流行りませんでした。イギリス史がご専門な方だからこそ、砂糖の世界史を書かれたのかと感じました。

軽い気持ちで読み始めたのですが、時代が変われば、砂糖に対する扱われ方も違ってくることを知れておもしろかったです。自分が生きてきた経験だけを信じがちですが、たまたま今の状況がそうなだけで、過去の時代の人は違った考え方をしてて、将来も変わるかもしれないと思うと柔軟な考え方ができそうです。

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