デンマークの心理セラピストが書かれた本です。私が読みがちな心理学系の本は、人を集めて実験してデータを示しますが、この方はクライアントと対話した経験から本を書かれています。キルケゴールとかユングに触れたりして、一昔前の心理学のイメージでしょうか。
内容としては、他社とのつながりを避ける原因は、幼いころにあるとして、身近にいた親の影響が強いとしています。幼い時に親から十分な愛情を受けていない場合、子供は悲しいので、幼いなりに悲しみを避ける自己防衛の術を身に着けます。その自己防衛術は大人になっても、無意識に他人にもとってしまう。だから他人と深く結び付けないのです。
著者は悲しみは避けるものではなく、向き合うことで人生の満足が得られると主張されています。ネガティブな感情にならないように、自分が絶対に傷つかないようにすれば、幸せになれると思っていましたが、むしろ悲しみと向き合うことこそが後悔しない人生につながる気がしてきました。これからは自分が傷つくことを過度に恐れずに人と接していけそうです。
