民法

中途終了時の報酬(民法改正)

投稿日:

民法改正で中途終了時の報酬について整理されたことを知りました。法律についての知識が全くない私ですが、どういうことなのか、調べてみました。専門家ではないため、正確ではないかもしれませんが、素人なりの解釈で分かったことをまとめてみます。

改正前の規定

中途終了時の報酬については、民法改正前は、委任のところで規定がされていました。その内容は、受任者のせいではなく、履行が途中で終了したときは、受任者は履行割合に応じて請求できるというものでした(旧648条3項)。

改正前規定の問題点

しかしこれには1つ問題があって、”受任者のせいではない”場合としているところです。たとえ受任者のせいであっても、サービスの提供が一部終わっているのなら、その分は請求させてあげる方が公平と考えたのです。

ですから、”受任者のせいでなはない”を改正後の民法ではとっぱらおうとするのですが、ついでに”委任者のせいでないで”を付け加えることとなります。

というのも、委任者のせいであるなら、危険負担によって受任者は委任者に全額請求できるからです。

危険負担

ここで危険負担という専門用語がでてきてチンプンカンプンなのですが、調べてみました。危険負担というのは、債権者のせいで債務履行ができないとき、債権者は反対給付の履行を拒めないということです。

これを委任のところに置き換えて表現すると、委任者のせいで、受任者が債務履行ができないとき、委任者は受任者からの請求を拒めないということです。これがあるので、受任者は委任者に対して全額請求できます。

全額請求できてしまうので、部分請求の規定をする際に、 “委任者のせいでないで” を付け加えているのです。

改正後民法の規定

最終的には、委任者のせいでなくて、委任事務ができないとき、履行割合に応じて請求できる、としています(新648条3項1号)。そしてこの規定を寄託に準用し(新665条)、雇用には同様の規定を新たに設けました(新624条の2)。

請負の場合

サービスの提供をする契約の類型には、委任・寄託・雇用ともう一つ請負があります。この請負の場合はどうしたのかというと、もともと判例で要件を2つ加える判断がだされていて、それを改正後民法で明文化しています。その要件とは、①注文者のせいでなくて、仕事が完成できないとき、かつ、②請負が仕事の完成前に解除されたとき(新634条)、です。

②の解除が委任・寄託・雇用にはないところです。2つの要件を満たせば、仕事の部分的な完了で注文者が利益を得るとき、その部分を完成したとみなし、請求できることとなっております。

まとめ

サービスを提供する契約においては、仕事を依頼した人のせいで、仕事ができなくなったときは、危険負担により、全額請求できる。仕事を依頼した人のせいではなく、仕事ができなくなったときは、仕事を終わらせた部分については、報酬の請求ができる。ただし、請負の場合は、契約が解除された場合に限る、ということだと思います。細かいところはいろいろあるでしょうが、ざっくり言うとこんな感じでしょうか。

参考文献:内田貴「改正民法のはなし」、伊藤真「民法【伊藤真ファーストトラックシリーズ2】」

-民法

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

解除(民法改正)

解除についての民法改正について、何度も読んでなんとなく分かってきたので、メモします。 改正前 次の2つの解除があった。①債務不履行時の催告解除、②履行不能時の無催告解除(ただし債務者のせいでないときは …