読書メモ

島本理生「ファーストラヴ」

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犯人捜しの推理小説ではないのですけれど、女子大生が父親を殺した動機を探っていくという構成で、謎解きをしていく面白さがあり、一度も飽きることなく最後まで読み切りました。

父殺しの背景には虐待という問題が絡んでいるので、苦手な方は読むのを控えた方がよさそうです。

主人公は臨床心理士で女子大生の容疑者やその関係者と対話する中で、虚言癖のある女子大生の心理を探っていくのですが、彼女の話す言葉が本当かウソか表情をよく観察していて、冷静で知的で、主人公のような臨床心理士が一般的かは分かりませんが、カウンセリング中は穏やかな雰囲気づくりをしつつも、相手の言った言葉を記憶し整理し解釈するので集中力を要しますし、大変な仕事だとよく分かりました。

この本では虐待の問題を扱っていますが、両親の子供に対する無関心さも取り上げられています。私の以前の職場がひどく無関心な職場でしたので、子供にそれを強いたらつらいだろうし、人間をおかしな方向へ向かわせてしまうように感じました。

心理的なものが中心ですので、女性が読んでも面白いと思いますし、男性でも女性が普段感じていることを知れるので新鮮です。映画化もされるほどですので、ご興味のある方はぜひ読んで見てください!

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