読書メモ

アンデシュ・ハンセン「スマホ脳」

投稿日:

当たり前のことですが、引用している科学的事実が、日本で紹介される事実と同じことに驚きました。著者はスウェーデン人なので、もっと違ったことを言うのかと、違った事実が出てくるものとばかり思いこんでおりましたので。

今や多くの人にとって肌身離さず持っておかないと不安にかられる存在とまでなったスマートフォン。私たちの生活を変え便利にしてくれている一方、気づいていないだけで実は恐ろしいものを手にしているのではと、漠然と感じておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

著者はまず人類の脳は数十万年前にサバンナで暮らしていたころと変わっていないことと、ストレス・うつの仕組みを説明したうえで、スマホの悪影響について述べていきます。

まずは依存について。依存といえばドーパミンですが、スマホに通知が届くと分泌されますので、はまってしまいやめられなくなります。次に集中力の低下。スマホはマルチタスクになりがちで人から集中力を奪います。さらに些末な情報を無視できなくなり、作業記憶(短期記憶)を低下させます。またスマホはブルーライトを発しますので、睡眠に悪影響を与えます。

著者はスウェーデンの精神科医です。物質的には恵まれているはずなのに、うつ等の不調を抱える人が増えているのはなぜか。その問いを探る過程で本書は生まれております。

スマホとの付き合い方を見直したい人、日々不調を感じている人、子供にスマホを与えるべきか迷っている人は読んで損はありません。翻訳もスムーズで読みやすいのでぜひ読んで見てくださいね。

-読書メモ

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

島本理生「ファーストラヴ」

犯人捜しの推理小説ではないのですけれど、女子大生が父親を殺した動機を探っていくという構成で、謎解きをしていく面白さがあり、一度も飽きることなく最後まで読み切りました。 父殺しの背景には虐待という問題が …

no image

[第162回直木賞受賞作] 川越宗一「熱源」

歴史小説なのでちょっと固めです。 普段から読書している人向けか、歴史好きな人向けだなと感じました。普段本読まない人は読み切るのがきつそう。 本の内容は、アイヌの人々とリトアニア出身のアイヌ研究者が、歴 …

村井俊哉「統合失調症」

私の家族が統合失調症で、そのことを知ったのが約10年前。大きな書店でこの病気についてかかれた本を何冊か読んでみて、遺伝と関係があることを知り衝撃を受けた。いずれ結婚するとして、相手にこのことを伝えなけ …

アレクサンドル・デュマ「三銃士」

180年も前に書かれた外国の小説なのに、今読んでも面白くて仕方がありません。不朽の名作です。 流行りのドラマ・マンガ・映画に見飽きた人は、たまには古典作品に親しむのもいいのではないでしょうか。 舞台は …

高橋洋一「国民のための経済と財政の基礎知識」

テレビとか新聞で経済や財政について報道されるが、私は無知なので、そっくりそのまま受け取っている。国の負債が1,000兆円あって、資産が600兆円ですと伝えられれば、残りの400兆円もどうやって返してい …