歴史小説なのでちょっと固めです。
普段から読書している人向けか、歴史好きな人向けだなと感じました。普段本読まない人は読み切るのがきつそう。
本の内容は、アイヌの人々とリトアニア出身のアイヌ研究者が、歴史に翻弄される姿を描いています。
少数民族との共生、進歩主義的な考えについて考えさせられます。
読んでいていくつかの緊迫した場面が印象的でした。序盤ですと主人公のお兄さん的存在の頭領チコビローと屯田兵の軍曹が、子供の喧嘩の決着をつける場面。中盤の大隈重信とアイヌ研究者の会話の場面。終盤のアイヌ研究者の最後です。
著者は会社勤めをされておりましたが、前作が松本清張賞を受賞したことにより、退社されているようです。僅か2作目で直木賞を受賞されているのですごい方だと思います。
アイヌやロシアに興味がある人、樺太の歴史について知りたい人、民俗学に関心がある人にはぜひ読んでいただきたい作品です。